確かに、マンガンの保存だけは難しいですね。緑マンガン鉱なんか、直ぐに黒変してしまいます。僕は、切断・研磨することにより、保存対策しています。ただ、ここまで手間をかける値打ちの無い石は、やりはしませんけど。
「マンガンだけは難しい」と言うのは、保存と言うことだったのですね、それなら納得です。
白鉄鉱も、保存するのが難しい鉱物でしたけど、加湿保存法と言う、全く反対の発想で成功しました。もう、10年も経つのに、未だに健在です。これは、完全に、「乾燥させて保存する」と言う常識を覆しました。実は、乾燥が、分解を進めていたのです。
低温なら反応が進み難いだろうと、冷蔵庫保存している人が居ましたが、これは全くダメです。なぜなら、庫内は湿度が低いから、乾燥し、むしろ分解反応は進むのです。
最近チョコレート鉱を良く採るのですけど、たいていがパイロクロアイトを含んでいるようで、直ぐに黒くなるのがあるのです。でも、このようなチョコレート鉱でも、末永く、綺麗な姿を観ていたいと言う願望から、保存対策を講じてみました。切断研磨だけでも、大分、保存は出来ます。例え黒くなっても、再研磨で、元通りに戻せます。
今回は、さらに進めて、完全にしました。
この石も、何処かの博物館に寄付するつもりですけど、こうしておけば、何時までも、保管して貰えることでしょう。黒くなって放されることも無いでしょう。
前日掲載したマンガン鉱脈標本の反対側です。
緑マンとバラ輝石部分の拡大です。
緑マンの部分に限って言えば、下から、珪酸マンガン帯、そして菱マンガン鉱に包まれたチョコレート鉱、その中心部に緑マン、そして、菱マンガン鉱帯となっていますから、この写真の向きで正しいでしょう。
でも、褶曲のように折れ曲がっているとすれば、二枚有る鉱脈の上下から、この石の上下を論じるのはナンセンスですけどね。
さて、この緑マン、裸なら、次の日には黒くなっていました。チョコレート鉱の色からして、パイロクロアイトを多く含むのでしょう。保存する石としては、最悪です。こんな石でも、いつまで、新鮮な状態を保っていられるでしょうか。楽しみです。