鐘打鉱山では、ほぼ、鉄重石、錫石、灰重石の順に晶出したのは、明らかです。では、他所の産地ではどうでしょうと言うことで、今回は明延鉱山。
これは鉄重石の鉱石、で間違い有りません。
これは、別の石の拡大。鉄重石のように見えますが、実は左側の光っている部分は鉄重石、そして、その周囲と右側のは鉄重石に見えますが、実は錫石。そして、黄緑色の部分は銅重石華。つまり、鉄重石を錫石が交代している様です。交代、つまり、鉄重石が先で、錫石が後。
これは、完全に錫石が交代。ですから、鉄重石の痕跡として、銅重石華が着いています。
と言うことで、明延では、黒い板状結晶を見つけても、鉄重石と鑑定してはだめなのです。鉱物山勘定士の定石では、まず、色、艶、透明度、劈開等を見定めてから判断します。何処かの鑑定士さんの様に、「山勘?」で決めたら、だめなのです。
水晶の晶洞に灰重石。が、実は銅重石華が灰重石を交代しています。
これで、灰重石は、鉱床生成の最終末期である事が分かります。と言うことで、鐘打鉱山と同様に、鉄重石、錫石、灰重石の順である事が分かります。
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