以前掲載した写真、キミマンから園石帯の全体標本像。
同じくバラ輝石の切断研磨標本、二点。
破面は色も鮮やかで、磨けばどれだけ美しくなるかと思ってたけど、期待は裏切られた。
結晶が荒く、雑物も多くて、あまり綺麗でない。
こちらの石は、破面は、ぼやーとして、もう一つだったけど、磨いてみると、ピンク翡翠みたいで、なかなか良い。
拡大してみても、なかなか綺麗。こちらで勾玉作った方が良いみたいですよ、Yさん。
田口鉱山の鉱石には、パイロクロアイトをたくさん含むようで、直ぐに黒く変色する物が多い。そこで、単に切断研磨してみたが、それでも、直ぐに変色した。バラ輝石なんかは、宝飾品にしようとしても、全くだめだった。もちろん、大丈夫な物も有るのだろうけど。そこで、ガラスを貼り付けてみたのです。これで、当分は楽しめるだろう。どの位保つか、楽しみ。
ガラスを貼り付ければ、空気を遮断して酸化を防ぐために変色し難くなると言うのは、誰でも分かること。でも、切断研磨だけでも、変色し難くなる物が多い。これは、前にも書いたけど、今まで、「不思議だ、不思議だ」と誰も答えを出せなかった。そこで、僕は答えを考えてみた。
石を割ると、一番弱い面で割れる。バラ輝石で言えば、パイロクロアイトを多く含んでいる面部分です。パイロクロアイトの硬度は2.5~3。しかも劈開は完全。非常に割れやすいのです。それで割ると、一番変色しやすい面で割れる訳です。切断研磨は、パイロクロアイトを包み隠してしまう事になります。
緑マンも、パイロクロアイトとは、非常に仲の良い鉱物です。しかも、変色しやすい物と変色し難い緑マンがあります。本来、緑マンは酸化し難い鉱物で、変色するのはパイロクロアイトの方。よって、結晶質の緑マンは純粋な物が多く、たとえパイロクロアイトを含んでいても、酸素を遮断、内部にあるパイロクロアイトは変色し難くなるのです。また、緑マンが、酸化してファイトクネヒト鉱になると言うのも、概して間違いだと思います。ファイトクネヒト鉱に変化したのは、主にパイロクロアイトの方だと考えられます。
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