最近は、滅多に孔雀石を見ないんです。もちろん、ブロシャン銅鉱などの二次鉱物も含めて。それが、本当に久しぶりに、たくさんのズリの中で、一つだけ見つけたのです。
孔雀石は、明延鉱山や生野周辺の鉱山に行けば幾らでも採れますが、いざ京都府下でと言うと、なかなかお目に掛からないのです。そんな孔雀石が、たった一つの石だけでしたけど、手に入ったのです。
で、孔雀石かどうかの確認は塩酸テストです。発泡したので、孔雀石かと言うと、そうでもないのですね。ガラス板上において、顕微鏡下でやってみますと、確かに発泡はしますが、その量が少ないのです。そして、無色透明に見える(おそらくは淡緑色)の針状鉱物が残るのです。発泡して溶ける鉱物が少ないので、何が発泡したのか分かりませんでしたが、おそらくは孔雀石ではないかと思います。そして、無色透明に見える鉱物はブロシャン銅鉱ではないかと思いました。この二つの鉱物は、結構密に共生しているみたいです。
で、問題は、なぜ、この地域には、このような銅の二次鉱物が生成しないかと言う話しなのです。全ての孔雀石を二次鉱物と考えていることも、問題の一つです。そして、生野、明延などの明らかに熱水性鉱脈には、比較的普遍的に生成していて、堆積性の鉱床には、生成しないと言うような差別も考えられるかも知れません。硫酸イオンが存在すれば、炭酸イオンは存在出来ないと言う考えもあるかと思いますが。
と言うことで、今は、出来るだけたくさんの、切断鉱脈標本を作ることに専念してます。特に、磁硫鉄鉱の鉱石標本作りです。磁硫鉄鉱の條痕色は黒色です。磨いていると、磁硫鉄鉱の黒い粉末が手に着いて取れなくなって困ってます。手袋付けたら良いのですけどね、これからは手袋付けてがんばります。
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