磯砂鉱山の近くを散歩していると、道路工事中の花崗岩の露頭に出逢いました。ここは、いつも、自動車で通過する所です。自動車から観ていたら、別に何も感じなかったのですが、歩いていて、始めて、気が付きました。
ちょっと観れば、何の変哲もない、花崗岩の風化した露頭です。しかし、よくよく観れば、何か変なのです。こちら側は、風化して、「まさ土」になっています。そして、徐々に、硬い、節理のある花崗岩に変わっていきます。その花崗岩の下の方も、風化しています。
ここで、「風化」と言いましたが、もし、これが、本当に風化であるとすれば、当然、節理の周囲から、風化していくはずです。ところが、この硬い節理のある花崗岩は、風化している様子が全くないのです。花崗岩は、風化し易いと言います。しかし、この露頭から考えて、花崗岩は、簡単には風化しないだろうと言うことが解ります。
私も、色々な花崗岩を観て、本当に深成岩なのかと、考えることがしばしばです。玄能石や饅頭石も、確かに珍しい奇石です。しかし、本当に奇石と呼べるのは、何の変哲もない、この「花崗岩」ではないかと思える、今日この頃です。