ドロマイトのマグネシウム起源は、花崗岩類から供給されたという説が優勢と思いますが、確たる証拠は無いようです。
そして、ドロマイト中の小藤石に含まれる硼素等、その他の元素についても、花崗岩類マグマからの供給というのが定説のようです。
ところが、雲根誌21では、「接触交代作用は原則的に起こらない」というのが、基本的な考え方です。
どちらにしても、それを示す客観的証拠が有れば、既に定説になっているはずです。と言うことは、客観的証拠が残っていないのか、もし有っても、それを見過ごしているかの、どちらかです。
2006年6月13日に、
岐阜県春日鉱山を訪れた際、玄能石ノジュールを見付けました。そのノジュールが、ドロマイトで出来ており、金雲母を始め、種々の鉱物を生じておりました。
春日鉱山では、主に、ドロマイトは団塊状で、大理石中に出ます。写真は、この時に採集したドロマイトノジュールで、どちらも団塊状を呈しています。これには、苦土カンラン石、斜ヒューム石、金雲母、スピネル、パーガス閃石、磁硫鉄鉱等を含み、累帯状構造を呈します。この形と、各鉱物の元素の供給源は、玄能石が熱変成を受けた物と考えれば、一応、納得のいくことです。
特に、磁硫鉄鉱ですが、私の経験では、生物起源の堆積岩ノジュールに含まれることが多く、何らかの共通点があると思われます。
ドロマイトノジュールが、泥質岩起源のノジュールであれば、これら各元素を含むことが不可能と思われ、その足らない元素は花崗岩からの供給として、考えてきました。私は、春日鉱山へは、1回しか行っておりません。ドロマイト鉱山も、根市鉱山、石ぐれ等経験も浅いですから、もっと多くの経験を積み上げていきたいと思います。