長野県上田市の
小太郎さん から、送っていただいた玄能石で、実験してみました。
その目的は、色々あるのですが、一つは、方孔石が玄能石の抜け殻かどうかと言う物です。そこで、玄能石を塩酸で溶かしてみます。
玄能石は、泡を出して溶けていきます。
少し、溶け始めると、液は、茶色く汚れてきます。これは、玄能石に含まれる泥が放出されるためです。
この実験では、玄能石は、殆ど跡形無く溶けてしまいました。少し、塩酸の濃度(約5%)が高かったため、泡で微細な構造が潰れてしまったのです。次は、もっと薄い塩酸で挑戦してみます。
ところで、伊勢山では、自然に溶け抜けたものも見られます。
抜け跡に、スポンジ状の石英が見られます。今回の実験では、もっと、細かい部分まで残ると思ったのですが。
これは、石巻市の方孔石です。この空洞には、時たま、方解石の小球が残っていることもありますが、殆どが空洞なのです。と言うことは、方孔石が、元々、空洞だった可能性が高いと言うことです。
これは伊勢山の玄能石で、裂け目に入った雨水により、玄能石が抜けた跡です。
この実験では、玄能石が、相当な不純物を含んでいると言うことが分かります。玄能石は、フズリナのような形の方解石の小粒が、たくさん集まり、おにぎりのように固まっているのです。その空隙を、この泥が埋めている構造なのです。
まだまだ続きます。