2005年8月31日
8月16日、ちょうど京都では、大文字の送り火の日です。大文字観光を兼ねて、金閣寺、竜安寺を見てきました。金閣寺から竜安寺に行く途中に、写真の風化したチャートの互層の露頭がありました。竜安寺は、この岩盤の上に建っているようです。
何気なく見ていると、チャートの互層が有るなと、通り過ぎるところです。でも、どうして、チャートは、ほぼ規則正しい互層が多いのか、疑問に思われた事はないでしょうか?
チャートは、放散虫の化石から出来ていて、石灰岩等と共に、「有機岩」と言われています。この有機岩という言葉が曖昧で、何%以上、生物由来物質(珪酸は無機質です)を含有していたら、有機岩と呼ぶと言う規定も無いようです。粘板岩は、多量の有機物を含んでいる事も有りますから、有機岩と呼べないこともありません。チャートや石灰岩の中にも、100%無機質の物もあるでしょうから、「チャート、石灰岩は有機岩である」と言うことは、間違いです。
さて、チャート互層の成因ですが、こうした産状を示す物に、粘板岩(頁岩)と砂岩の互層があります。これらは、陸地に近い海底で堆積した物が、海溝に向かって、ずり落ちる過程で出来る物です。このメカニズムをはっきり理解すれば、色々な事が分かってきます。例えば、チャート層に胚胎するマンガン鉱床の成因等です。
竜安寺の石庭です。日本中から、名石を集めて造ったと聞いています。この庭石を1つ1つ見ていると、産地はバラバラです。しかも、採石場などに行けば、どこにでも有りそうな石ばかりです。庭と溝を仕切る縁石、これも駄石、溝に入っている石ころも、日曜大工ショップに行けば・・・・・。
石屋の私からから見た竜安寺の石庭は、こんな風に見えます。禅の精神が、全く、私には無いようです。この、さりげなさが理解できません。でも、この石庭に、しだれ桜や紅葉は不要に思いますけどね。