雲根誌21に、京都府梅谷鉱山をUPしました。この鉱山には、たいした物はありませんが、色々な物を見せてくれる、面白い鉱山です。
例えば、スカルン(接触交代)鉱床の出来方や、二次鉱物の成因等を提示してくれました。
写真は、この鉱山で産する海百合と紡錘虫の化石です。左側の褐色の部分は、鉱脈で、磁硫鉄鉱等から成っています。つまり、鉱脈と接触しています。
こうした標本から、スカルン鉱床の出来方を考えてみました。どうしても、定説のような出来方にならないのです。つまり、第一に接触していないことです。近くに、火成岩も見られません。鉱脈と隣り合わせて、石灰岩から海百合と紡錘虫の化石が出てきますから、熱変成は、ほとんど受けておりません。これらから考えて、遠く離れた火成岩から、金属元素などが供給されたという形跡が見られないのです。詳しいことは、
雲根誌21 梅谷鉱山のスカルン鉱床と
スカルン鉱床の成因に、掲載しております。
また、二次鉱物では、異極鉱が比較的目に付きますが、銅その他の二次鉱物は殆どありません。つまり、異極鉱は、鉱液から、直接析出したのではないかと考えられるのです。
異極鉱=二次鉱物、孔雀石=二次鉱物というのは、少しおかしいのです。もちろん、二次鉱物の異極鉱、孔雀石もあります。そして、一次鉱物の異極鉱、孔雀石も有っても良いのではないでしょうか。