鉱山と言えば、普通は、人里離れた山の中ですが、ここは、ちょっとした街の中で、こんな所にと言う所にありました。
戸根鉱山の持ち主は、広島県の河辺石の産地の鉱業権を持っておられ、試掘をされた折、河辺石が産出しました。私は、その河辺石の発見に携わったものですから、一度は、訪れたかった戸根鉱山です。それでなくとも、ブラウン鉱の結晶が採れると言う事で、有名産地ですから。
今回、2つの坑道跡を確認しました。写真は、ほぼ山稜近くですが、この坑が主要坑でしょう。
一部に、マンガンが残っています。このように、マンガン鉱床が、直接見られるという事は、非常に有り難いことです。ここは、動力変成帯に胚胎するマンガン鉱床です。
私の短い経験に寄りますと、ブラウン鉱の生成は、赤鉄鉱と深い関係があるようです。
これは、断層です。しかし、マンガン鉱床と間違えて、ひ押しされたのでしょうか。
マンガン鉱鉱床は、層理に対して平行ですが、これは、垂直に入っています。何らかの熱水鉱床であれば、このような露頭になりますが、それでも、希望を込めて掘られたのでしょうか。しかし、直ぐに気が付かれたようです。
この鉱山のズリの中に、マンガン鉱は、あまり残っていません。たったの1時間の採集では短すぎますが、何とか、ブラウン鉱と紅簾石だけは確保できたようです。