桑名市から京丹後市への帰り道、スカルンの雰囲気を味わいたくて、月出にやってきました。
ここでは、日本式双晶の紫水晶が有名なのですが、これを求めて、坑内に入ろうとして、坑口に詰めてあったゴミを掘り出し、散乱させた人がありました。しかし、直ぐに、行き止まり、それ以上の採掘が諦めてありました。結局、入り口から、1mも進めずに、そのあたりを掘り返しただけの様でした。他人の山で、こんな事をされると、真面目に採集している人の迷惑です。掘り返したら、元へ戻す位のことは、常識です。
しかし、この露頭、よく見ると、山師は、こんな所に坑道は掘りません。掘るとしたら、もう少し下の方です。ここは、坑口が崩落した所のようです。
私たちは、湖岸に有る、道路工事で出た石を捜す訳です。透輝石、石榴石、珪灰石等のスカルン鉱物が有りますが、私は、あまり良い物を採った事はありません。しかし、何か、興味を引く、面白い所なのです。
たとえば、灰長石です。付近にアルミナ源となる物が無いので、アルミナ分は、花崗岩から供給されたと、されています。
また、園鉱山の園石等のように、マンガンスカルンと呼ばれている物は、フッ素や硼素が、花崗岩から供給されています。
福島県羽山鉱山のルドウィヒ石は、蛇紋岩のマグネシウムと、花崗岩供給の硼素が、反応して生じたとされています。
神岡鉱山などのスカルン型金属鉱床も、石灰岩が、花崗岩から供給された硫化金属と、交代されたとされています。
ドロマイトに含まれる小藤石の硼素も、やはり、花崗岩からの供給とされています。
桜石や空晶石も、花崗岩から供給されたマグネシウムと反応して生じたとされています。
こうしてみてくると、花崗岩は、魔法の杖、ドラえもんのポケット、魔法のランプの様に、その時々に応じて、好きな物が出て来るみたいですね。
魔法の杖、ドラえもんのポケット、魔法のランプは、もちろん、空想の物です。と言う事は・・・・・・。