2月17日多賀鉱山の採集品です。
初めての訪山で、目的の園石が採れたという事で、小さな物でしたが満足しました。次回は、ゆっくり、腰を落ち着けて、捜してみたいと思っています。輝コバルト鉱、紅砒ニッケル鉱、ヘルビンと言ったところも目標です。
この日は、多賀鉱山の前にも、himoさんと園鉱山で、園石を捜しました。小さな物でしたが、原産地標本と言うことで、希少価値があり、とりあえず、目的達成と言うところです。
この二つの園石を観ますと、どちらも、縞状のマンガン鉱から出る等、共通性があります。
ところでスカルン鉱床の成因ですが、私は、接触熱変成は受けたが、交代作用は、ほとんど受けていないという考え方です。
もちろん、園石に含まれるフッ素も、元々鉱床に含まれており、花崗岩からは供給されていないと言うことです。もし、このフッ素が花崗岩起源であれば、テフロ石のどの部分に出来ていても不思議はないと思うのですが、有る限られた場所に生成していると言うことに、疑問を感じているわけです。
ちょっと、話が変わりますが、私は、子供の頃、京都市に住んでいました。その北の方には、たくさんのマンガン鉱床があり、その成因を考えていました。そして、ある時考え付いたのです。
微生物の中には、鉄、硫黄、窒素などの化合物を酸化して、エネルギーを得ている生物が有ります。となると、マンガンも、酸化され良い元素ですから、これを利用して生きている生物がいる可能性があり、これが原因でマンガン鉱床が出来たのではと思い付いたのです。
その後、微生物によるマンガンノジュールが発見され、様々な希元素が含まれていることが解ったのです。
話は、元に戻って、多賀からは、コバルト、ベリウム、ニッケル等を含む鉱物が見つかっています。マンガン鉱床が、微生物起源であれば、これらの元素も、フッ素を含めて、元々含んでいても、全く不思議は無いと思ったのです。
ベリウムは、ヘルビンに含まれているのですが、これも、微生物起源であれば、この間取り上げた
トラピッチェ・エメラルドも、微生物起源であっても、何ら、不思議はないのかも知れません。
ちなみに、京都府新産となった法花寺野鉱山産、紅砒ニッケル鉱、硫砒ニッケル鉱は、私の発見です。
多賀鉱山で拾った「えくぼ石」です。上からの転石で、新生代の礫です。